あ行

iPS細胞(アイピーエス細胞)
iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、ヒトの皮膚などの体細胞にいくつか遺伝子を導入して培養したもので、様々な細胞に分化する能力をもっています。

再生医療や、病気の原因を解明し、新しい薬の開発などに活用できると考えられています。
iPS細胞ストック(あいぴーえすさいぼうすとっく)
ヒト白血球抗原(HLA)の型がホモ接合体の健康なボランティアから提供された細胞を使い、医療用のiPS細胞を作製してバンク化したもの。
日本では京都大学iPS研究所が樹立した。
患者自身の細胞を使う自家移植と比べると、格段に時間も費用も抑えられると考えられている。

出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20160916-01.html
アデノ随伴ウイルス(あでのずいはんういるす)
アデノ随伴ウイルス(AAV)は、ヒトやマウスなどの動物に感染する小型のウイルスで、現在のところ病原性は確認されていません。

アデノ随伴ウイルスには様々なタイプがあり、それぞれのタイプによって感染できる細胞の種類が異なっています。

宿主となる細胞の種類にあったタイプのウイルスに目的の遺伝子を組み込み、宿主細胞に感染させることで、宿主細胞内に目的の遺伝子を送り込むことができます。

このような特徴から、アデノ随伴ウイルスを用いた遺伝子治療の臨床試験などもすでに行われています。

出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20160916-02.html
アルツハイマー病(AD)
(あるつはいまーびょう(えーでぃー))
ドイツの精神科医、アルツハイマー博士により1905年に報告された進行性の記憶障害を伴う認知症。

主に中高年で発症し、徐々に進行して生活に支障を来すようになり、最終的には意思疎通ができなくなる。

日本を含む先進国では、高齢期発症の認知症のうち最も多いタイプの疾患である。

家族歴を伴うものを家族性AD、伴わないものを孤発性ADと呼ぶ。

出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20220609-01.html
医師主導治験(いししゅどうちけん)
治験のうち、治験を行う医師が自ら計画を立て行うものを「医師主導治験」といいます。

医師主導治験は医師自らが、治験の計画を作成し、治験の実施から試験結果の取りまとめまで、すべての業務を実施・統括して行う治験です。

医師主導治験では、外国で有効性・安全性が確立した医薬品等で、国内ではまだ承認されていない、あるいは国内で適応外使用となっているものや、大学などで開発された医薬品等の候補物質の有効性・安全性を探索することなどを目的として行われます。

患者さんが医療の現場で必要性が高い医薬品等をより早く使用できるようにするために行われています。

出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20170729.html
移植片対宿主病(いしょくへんたいしゅくしゅびょう)
ほかの人から移植された細胞が、移植された患者さんの正常な臓器を異物(他人の細胞)と認識して攻撃してしまうことです。
遺伝子治療(いでんしちりょう)
細胞内に核酸(DNAやRNA)を導入する治療法。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20200127.html
医薬品医療機器総合機構
(いやくひんいりょうききそうごうきこう)
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、医薬品や医療機器などの品質、有効性および安全性について、治験前から承認までを一貫した体制で指導・審査する独立行政法人。
医薬品等の副作用等による健康被害に対する健康被害救済や、医薬品等の市販後における安全性に関する情報の収集、分析、提供といった安全対策も行う。


https://www.amed.go.jp/news/release_20201225.html
インプラント型再生軟骨
(いんぷらんとがたさいせいなんこつ)
患者さん自身の軟骨組織を採取し、培養して増やした軟骨細胞と特殊なコラーゲン液を混合し作成した軟骨。
HLA(えいちえるえー)
エクソーム(えくそーむ)
生体の細胞から分泌される小胞で、細胞間の情報伝達の役割を担っており、細胞に対し様々なはたらきを促す機能を持ちます。
LCAT(えるきゃっと)
不要となったコレステロールの処理にかかわる酵素。
LCATのはたらきがないと、不要なコレステロールが処理されずに体のいろいろな組織に蓄積され、病気を引き起こす原因となる。
オルガノイド(えるきゃっと)
不要となったコレステロールの処理にかかわる酵素。
臓器あるいは組織の特徴を有する立体組織のこと。

か行

角膜内皮細胞(かくまくないひさいぼう)
角膜の透明度を維持するためにバリアやポンプの働きを持つ細胞。

内皮細胞の密度が1mm2あたり500個より少なくなると角膜にむくみが発生して水疱性角膜症と呼ばれる状態になり、角膜の透明性が維持できなくなる。
化生(かせい)
分化・成熟した細胞が異なる形態や機能をもつ他の細胞に変化する現象です。
滑膜幹細胞(かつまくかんさいぼう)
関節にある滑膜に存在し、軟骨保護や炎症抑制に関連する栄養因子を産生する細胞。
幹細胞(かんさいぼう)
自己複製能力(分裂して自分自身をコピーする能力)と分化能力(様々な細胞へ変化する能力)を持つ細胞です。

幹細胞には、多能性幹細胞(ES細胞iPS細胞)と体性幹細胞(造血幹細胞神経幹細胞など)があります。
間葉系幹細胞(かんようけいかんさいぼう)
間葉系幹細胞とは、体に自然に備わっている体性幹細胞で、骨細胞・軟骨細胞、脂肪細胞、神経細胞、幹細胞などさまざまな細胞に分化できるといわれている細胞です。傷ついた組織にとって栄養となる成分を放出します。骨髄・脂肪・歯髄・へその緒・胎盤などに存在します。
がん幹細胞(がんかんさいぼう)
これまでのがん治療では、手術・放射線・抗がん剤による初期治療が奏功して腫瘍がいったん消失したように見えるケースでも、多くの場合で腫瘍の再発がみられます。 近年こういった腫瘍の再発は、がん幹細胞と呼ばれる腫瘍中のごく一部の細胞が原因と考えられるようになってきました。
がん幹細胞は腫瘍の大部分を占める「ただのがん細胞」とは異なって新たに腫瘍を形成する能力をもっているうえ、放射線や抗がん剤に対する抵抗性が高く、治療後も残存し再発の原因になると考えられています。
そこで、従来の治療法に加えてがん幹細胞を標的とした治療法を開発することが重要と考えられるようになってきました。

出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20220628-02.html
希少疾病用再生医療等製品(きしょうしっぺい
ようさいせいいりょうとうせいひん)
希少疾病用再生医療等製品は、医薬品医療機器法第77条の2に基づき、対象患者数が5万人未満で本邦では十分にその研究開発が進んでいない状況にあり、医療上特にその必要性が高いものに対し、次の指定基準に合致するものを厚生労働大臣が指定するもので、希少疾病用医薬品の試験研究を促進するための特別の支援措置を講ずる制度です。

1. 対象者数
再生医療等製品の対象者の数が、本邦において5万人未満であること。

2. 医療上の必要性
重篤な疾病を対象とするとともに、代替する適切な治療法がなく、既存の医薬品・医療機器・再生医療等製品と比較して著しく高い有効性又は安全性が期待され、特に医療上の必要性が高いものであること。

3. 開発の可能性
対象疾病に対して当該再生医療等製品を使用する理論的根拠があるとともに、その開発に係る計画が妥当であると認められること。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20190213.html
グリア細胞(ぐりあさいぼう)
神経膠(しんけいこう)細胞とも呼ばれます。脳内の神経細胞を除いた多くの細胞の総称で、アストロサイトやオリゴデンドロサイト、ミクログリアなどの細胞に分類されます。
形質細胞(けいしつさいぼう)
血液細胞の一つで、体が感染や疾患に抵抗するための抗体を産生します。
血小板濃縮材料
(けっしょうばんのうしゅくざいりょう)
血小板を濃縮したもの。血管新生・抗炎症作用・疼痛抑制作用などにより、傷の治癒や組織再生効果があると考えられています。
血小板フィブリン(PRF)
(けっしょうばんふぃぶりん)
血小板を濃縮させてゼリー状にしたもの。皮膚の再生や傷の治癒を促進する様々な成長因子が含まれており、創傷治癒の治療効果がある
結合組織(けつごうそしき)
全身の組織と組織つなぎ、身体を支持する組織のことです。この用語には、多くの場合、骨、軟骨、腱、および靱帯が含まれます。
ゲノム(げのむ)
動物や植物など、その種が持つ遺伝子の完全なセットのことです。
骨髄液(こつずいえき)
骨の中心部(骨髄)に存在する液。血液細胞( 赤血球、白血球、血小板など )のもとになる造血幹細胞を含んでいる。
コホート調査(こほーとちょうさ)
ある特定の人々の集団を一定期間にわたって追跡し、生活習慣などの環境要因・遺伝要因などと疾病の関係を解明するための調査のこと。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20161221-01.html

さ行

再生(さいせい)
体内で何らかの原因で失われた細胞がもとの細胞・組織の増殖によって補われ、元通りになる現象です。
再生医療(さいせいいりょう)
患者さん自身の細胞・組織又は他人の細胞・組織を培養等加工したものを用いて、失われた組織や臓器を修復・再生する医療のことです。
再生医療等製品
(さいせいいりょうとうせいひん)
再生医療等製品とは、人又は動物の生きた細胞や組織を培養等の加工を施し作成されたもので、体の構造・機能の再建・修復・形成や疾病の治療・予防、遺伝子治療を目的として使用されます。

金属などの材料でできた製品よりも人のからだに馴染みやすいなどの理由から、医薬品や医療機器のように用いることができます。

しかし再生医療等製品を医療に用いることを目的として世に出すためには、医薬品や医療機器と同じように、非臨床試験(動物実験など)、臨床研究、治験、厚生労働省での審査、承認・販売といった順序で、いろいろなことを調べていく必要があります。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20170729.html
臍帯血(さいたいけつ)
へその緒や胎盤の中に含まれている血液の細胞です。さい帯血には「幹細胞」という、体のさまざまな種類の細胞のもとになる細胞が豊富に含まれています。
臍帯血幹細胞(さいたいけつかんさいぼう)
細胞の元(幹)となる細胞が多く含まれ、脳障害や代謝傷害などに有効であることが期待されている。
サイトカイン(さいとかいん)
細胞から分泌されるタンパク質です。細胞間で情報を伝達して、周囲の細胞に影響を与えます。
細胞シート(さいぼうしーと)
細胞シートとは、細胞を使って作られる立体的な組織。
先駆け審査指定制度
(さきがけしんさしていせいど)
世界最先端の治療薬を日本の患者に最も早く提供することを目指し、一定の要件を満たす画期的な新薬等について、開発の比較的早期の段階から先駆け審査指定制度の対象品目に指定し、製造販売承認の相談・審査において優先的な取扱いの対象とする厚生労働省の制度です。
原則として既承認薬と異なる作用機序を持ち、高い有効性が期待される医薬品が指定されます。
指定には以下の4つ要件をすべて満たす必要があります。
1. 治療薬の画期性
2. 対象疾患の重篤性
3. 対象疾患に係る極めて高い有効性
4. 世界に先駆けて日本で早期開発・申請する意思


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20190213.html
歯髄幹細胞(しずいかんさいぼう)
血管と神経を作るのに関する(幹細胞が多く含まれており、不用歯(親知らずや矯正治療で抜く歯など)から取り出すことができます。
疾患特異的iPS細胞
(しっかんとくいてきあいぴーえすさいぼう)
患者さんの皮膚や血液など、患者さん由来の組織からつくるiPS細胞を特に「疾患特異的iPS細胞」といいます。病態解明や創薬の開発など活用されています。
指定難病(していなんびょう)
「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)により規定される難病のうち、「患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1%程度、およそ12万人強)に達しないこと」、「客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が成立していること」の2要件を満たす疾患。

公的な医療費助成の対象となる。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20190218.html
腫瘍溶解性ウイルス製剤
(しゅようようかいせいういるすせいざい)
ウイルスを使ってがんを治療する製品です。
食道狭窄(しょくどうきょうさく)
何らかの原因で食道が狭くなり、通過障害が生じたもの。
心筋細胞(しんきんさいぼう)
心臓を形成する筋肉細胞です。
神経幹細胞(しんけいかんさいぼう)
自己複製し、脳や脊髄を構成する神経細胞やグリア細胞分化する能力をもつ細胞です。
神経膠細胞(しんけいこうさいぼう)
CD19(しーでぃーじゅうく)
B細胞(抗体を産生する免疫細胞)の発生、活性化、分化の調節に関与する細胞表面マーカーです。
CD20(しーでぃーにじゅう)
B細胞(抗体を産生する免疫細胞)の活性化と増殖の調節に関与する細胞表面マーカーです。
自家細胞(じかさいぼう)
再生医療を受ける患者さん本人の細胞のことです。
自己複製能(じこふくせいのう)
分裂・増殖過程を経ても同じ特性を維持して複製する能力のことです。
樹状細胞(じゅじょうさいぼう)
外気に触れる鼻腔、肺、胃、腸管、皮膚などに存在。異物を自分の中に取り込み、その異物の特徴(抗原)を他の免疫細胞に伝える働きを持ちます。
自由診療(じゆうしんりょう)
自由診療とは、治療として、国の承認を受けるための全段階を満たしておらず、有効性などが公的に確認されていないので『保険診療』として扱われないものです。保険診療と厚生労働省が承認していない治療や薬を併用すると、公的医療保険による医療費負担は適用されず、治療費が全額自己負担となります。※一部の先進医療等で保険との併用が認められているケースはあります。

  • 自由診療のメリット
    新しい医療技術や医薬品に挑戦することができます。また、患者さんの要望に応じて、細かな検査なども実施することができるため、患者さんの体質や状態に合わせた診療が受けられる可能性があります。また、日本で未認可の医薬品や、公的にみとめられた適応疾患以外の医薬品も使用できます。 自由診療のデメリット 健康保険などの公的医療保険が全く使えないため治療費が高くなります。科学的根拠がはっきりしていないものも含まれており、既存の治療法よりすぐれているという保証はありません。
  • 自由診療のデメリット
    健康保険などの公的医療保険が全く使えないため治療費が高くなります。科学的根拠がはっきりしていないものも含まれており、既存の治療法よりすぐれているという保証はありません。
条件付き早期承認制度
(じょうけんつきそうきしょうにんせいど)
重篤な疾患であって有効な治療法が乏しく患者数が少ない疾患等を対象とする医薬品について、検証的臨床試験以外の臨床試験等で一定程度の有効性及び安全性を確認し、更に、製造販売後に有効性・安全性の再確認等のために必要な調査を実施する等の承認条件を付与した上で、当該医薬品を承認する制度です。
当該医薬品について、我が国での治験実施が困難である(あるいは治験の実施にかなりの長時間を要すると認められる)、医療上の有用性が高いと認められる等の条件を満たした場合に適用されます。
本制度が適用された医薬品の承認条件については、基本的には再審査時に確認されることになります。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20200327.html
上皮細胞(じょうひさいぼう)
皮膚や、内臓や血管など内部が中空になっている器官の、表面をおおっている細胞です。
人工アジュバントベクター細胞
(じんこうあじゅばんとべくたーさいぼう)
がんの免疫療法で研究が進められている人工細胞です。
人工多能性幹細胞
(じんこうたのうせいさいぼう)
iPS細胞
製造販売承認申請
(せいぞうはんばいしょうにんしんせい)
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)に基づいて、医薬品等の製造および販売の承認を厚生労働省に申請することです。
いわゆる製薬企業が申請できます。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)により、企業としての責任体制の審査、製品の有効性・安全性等の審査、製品の生産方法・管理体制の審査など、さまざまな審査がなされます。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20190213.html
成長因子(せいちょういんし)
細胞の成長、死、分化、または他の細胞機能を調整するタンパク質のことです。
線維芽細胞(せんいがさいぼう)
線維芽細胞とは、結合組織をつくる重要な細胞で、皮膚の機能を保つ上で最も重要な細胞です。創傷治癒効果があります。
先進医療(せんしんいりょう)
「先進医療制度」における「先進医療」とは、効果・安全性などの評価が定まっていない新しい試験的な医療技術のうち、保険適用の対象にするかどうかの判断を下すための有効性・安全性の評価を行う医療技術として厚生労働省が指定したものです。

厚生労働省から先進医療として指定された医療行為は、例外的に公的医療保険が適用される医療と共に実施することが認められます。

効果・安全性が不明なことから、一部の医療機関でのみ実施が認められています。

他の試験的な診療行為と同様、保険診療として実施するにはいまだ十分な有効性・安全性の情報が得られておらず、標準治療と比べて医療として行うには科学的根拠が不十分な治療です。

【国立がん研究センター がん情報サービスより】
前駆細胞(ぜんくさいぼう)
幹細胞から発生し体を構成する最終分化細胞へと分化することのできる細胞。

幹細胞は前駆細胞を経て最終分化細胞へと分化するため、前駆細胞を幹細胞と最終分化細胞の中間に位置する細胞と捉えることができます。
造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)
自己複製能多分化能をもち、様々な血球をつくり出すもとになっている細胞。

た行

体性幹細胞(たいせいかんさいぼう)
私達の体の中に存在し、組織や臓器を長期にわたって維持する重要な細胞です。きまった組織や臓器で、消えゆく細胞のかわりを造り続けている幹細胞です。一定の限られた種類の細胞に分化が可能ですが、分裂回数には限りがあります。
他家細胞(たかさいぼう)
患者さん本人以外の細胞このと。
多血小板血漿(PRP)
(たけっしょうばんけっしょう)
患者さん自身の血液から、血小板濃度を通常の血液の約3~7倍に濃縮したものです。これを使って傷ついた組織などの治癒を目指す再生医療が進められています。 PRP治療とは、PRPに含まれる成長因子の力を利用して、人が持っている治る力を引き出し、治癒を目指す治療です。歯周外科治療、形成外科、美容外科、整形外科などでも活用されていますが、まだ研究段階の治療法です。

【多血小板血漿(PRP)を使った治療例(関節疾患)】

*自己多血小板血漿(PRP:Platelet-Rich Plasma)輸注・・・自身の末梢血を遠心分離して得られる血小板の豊富な血漿成分を、関節内に輸注する治療法です。活性化血小板が放出する液性因子が豊富に含まれることが治療効果の主体と考えられています。

*自己タンパク質溶液(APS:Autologous Protein Solution)輸注・・・専用の医療機器などを用いて自己PRPを更に濃縮精製した血漿成分を、関節内に輸注する治療です。PRP同様、血小板由来の液性因子が治療効果の主体と考えられています。次世代PRPとも呼ばれます。

*PRP融解液輸注・・・自己PRPを凍結し、融解したものを輸注します。
多能性幹細胞(たのうせいかんさいぼう)
胎盤などの組織(胚体外組織)を除く体中の様々な組織に分化する能力を持つ細胞。

多能性幹細胞には2種類あり、受精卵に含まれる細胞を培養した細胞は「胚性幹細胞(ES細胞)」、体細胞に遺伝子を導入して人工的に樹立した細胞を「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」という。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20170126.html
多分化能(たぶんかのう)
複数の系統の細胞に分化する能力のことです。
腸上皮幹細胞(ちょうじょうひかんさいぼう)
自己複製するとともに増殖能の高い細胞群(吸収上皮、杯細胞、内分泌細胞)を生み出すと考えられている。
トランスレーショナルリサーチ
(とらんすれーしょなるりさーち)
医療につながる基礎研究成果を臨床における実用化に橋渡しする開発研究を指します。

知的財産権の確保、臨床に用いる製剤の製造・品質試験・安定性試験、動物を用いた安全性試験、臨床試験実施計画の作成、規制対応など、数多くのプロセスを経ます。

また、多大な開発資金と多大の労力を必要とします。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20190213.html
ドナー(どなー)
移植において臓器や組織を提供する者。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release20200114.html
ドパミン神経前駆細胞
(どぱみんしんけいぜんくさいぼう)
ドパミン神経細胞に分化する手前の細胞のことです。

な行

ナチュラルキラー細胞
(なちゅらるきらーさいぼう)
NK細胞
ナチュラルキラーT細胞
(なちゅらるきらーてぃーさいぼう)
NKT細胞
脳梗塞(のうこうそく)
脳梗塞は脳卒中のひとつで、ほかに脳内出血やくも膜下出血があります。

脳梗塞はさらにアテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、ラクナ梗塞に分類できます。

脳梗塞は脳の血管が血栓などにより閉塞され、脳組織に障害を生じることで発症します。

脳梗塞の中でも主幹動脈が閉塞される心原性脳塞栓症やアテローム血栓性脳梗塞は症状が重く、片麻痺などの重い後遺症が残ることが多いといわれています。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20170119.html

は行

胚性幹細胞
(はいせいかんさいぼう)
ES細胞
培養上清(ばいようじょうせい)
細胞培養した際の培養液。細胞から放出された多くの増殖因子等が含まれていると言われています。
培養皮膚(ばいようひふ)
皮膚から増殖能力が優れた表皮細胞を取り出して人工的に培養し、皮膚のようにシート状にしたもの。
パーキンソン病(ぱーきんそんびょう)
手足がふるえる、体の動きがゆっくりとぎこちなくなる、転びやすくなるなどの症状が順次進行性に出現する神経難病。

かなりの割合の患者で認知機能障害も出現する。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20190218.html
ヒト白血球抗原(ひとはっけっきゅうこうげん)
ヒトの赤血球を除くほぼすべての細胞に発現する組織適合性抗原。

自他を認識する免疫機構として働き、移植医療やがんワクチンにはヒト白血球抗原(HLA)の型が重要となる。

HLA はhuman leukocyte antigenの略。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20160916-01.html
標準治療(ひょうじゅんちりょう)
標準治療とは、科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療をいいます。

一方、推奨される治療という意味ではなく、一般的に広く行われている治療という意味で「標準治療」という言葉が使われることもあるので、どちらの意味で使われているか注意する必要があります。

なお、医療において、「最先端の治療」が最も優れているとは限りません。最先端の治療は、開発中の試験的な治療として、その効果や副作用などを調べる臨床試験で評価され、それまでの標準治療より優れていることが証明され推奨されれば、その治療が新たな「標準治療」となります。

【国立がん研究センター がん情報サービスより】
副作用(ふくさよう)
薬によって患者に生じた好ましくない徴候、症状、または病気


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20220510-01.html
分化(ぶんか)
細胞が特定の役割を持った細胞へと変化していくことを分化と言います。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20161109.html
プラセボ(偽薬)(ぷらせぼ(ぎやく))
患者さんによっては、「薬を使っている」という事実による心理的な効果(プラセボ効果)でも治療効果が出てしまうことがあります。

そこで新しい薬の効果を調べるときには、本物の薬(実薬)と外見的に区別のつかない偽薬(プラセボ)を服用する患者さんも設けて、実薬との効果を比較することが必要になります。

このような科学的な試験を行うことではじめて、本当に効果のある薬を世の中に送り出すことができるのです。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20180425.html

ま行

末梢血(まっしょうけつ)
通常の体を巡っている血液のこと。

臓器中にプールされている血液やさい帯血と区別するために使われる。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20161024.html
ミューズ細胞(みゅーずさいぼう)
間葉系細胞のひとつで、多能性を持つという研究もあります。
免疫細胞
(めんえきちぇっくぽいんとそがいやく)
免疫チェックポイントと呼ばれる免疫を抑制する分子が、がんの進行に関与することが知られています。

免疫チェックポイント分子を阻害する薬剤は従来の抗がん剤のメカニズムとは異なり、がん患者が本来もつ免疫力を回復させることによりがんを治療します。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20220516-01.html
免疫チェックポイント阻害薬(ふくさよう)
薬によって患者に生じた好ましくない徴候、症状、または病気


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20220510-01.html
網膜色素上皮細胞(もうまくしきそじょうひさいぼう)
網膜の最も外側にあり、網膜を保護する役目を持つ細胞です。

や行

山中因子(やまなかいんし)
山中伸弥教授らが報告した、iPS細胞を作成する際に導入するOct4、Sox2、Klf4、c-Mycの4つの遺伝子。。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20160527.html
有害事象(ゆうがいじしょう)
薬を投与された患者に生じたあらゆる好ましくない徴候、症状、または病気。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20220510-01.html
羊膜間葉系幹細胞
(ようまくかんようけいかんさいぼう)
赤ちゃんを包む膜のことを卵膜、卵膜の最も内側の組織を羊膜と言います。この羊膜から得られる間葉系幹細胞のこと。

ら行

臨床研究(りんしょうけんきゅう)
臨床研究とは、病気の予防方法や診断方法、新しい治療方法の開発、病気の原因や病気の理解、患者さんの生活の質の向上を目的に、人を対象として行われる医学研究のことです。このうち国(厚生労働省)の承認を得るために行われる試験を「治験」といいます。
リンパ球(りんぱきゅう)
ウイルスなどの外敵や腫瘍などの異物を攻撃します。さらに、体内に侵入した異物を記憶し、それが再び侵入してきたときには、記憶に基づいてすばやく対応し、排除する働きを持っています。

NK細胞B細胞T細胞などの細胞があります。
羊膜間葉系幹細胞
(ようまくかんようけいかんさいぼう)
移植において臓器や組織を受け取る者。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release20200114.html

わ行

        

アルファベット

iPS細胞(あいぴーえすさいぼう)
iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、ヒトの皮膚などの体細胞にいくつか遺伝子を導入して培養したもので、様々な細胞に分化する能力をもっています。
再生医療や、病気の原因を解明し、新しい薬の開発などに活用できると考えられています。
iPS細胞ストック
(あいぴーえすさいぼうすとっく)
ヒト白血球抗原(HLA)の型がホモ接合体の健康なボランティアから提供された細胞を使い、医療用のiPS細胞を作製してバンク化したもの。
日本では京都大学iPS研究所が樹立した。
患者自身の細胞を使う自家移植と比べると、格段に時間も費用も抑えられると考えられている。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20160916-01.html
in vitro(いん・びとろ)
試験管や培養器などの中でヒトや動物の組織を用いて、体内と同じの環境を人工的に作り、反応をみる試験のことです。
in vivo(いん・びぼ)
ヒトや動物の体の中に直接被験物質を投与し、生体内や細胞内での反応をみる試験のことです。
ES細胞(いーえすさいぼう)
ES細胞(胚性幹細胞)は、受精後6、7日目の胚盤胞から細胞を取り出し、それを培養することによって作製される多能性幹細胞の一つで、あらゆる組織の細胞に分化することができる細胞。分裂回数は無限といわれています。
ESD(いーえすでぃー)
早期の病変に対して、内視鏡カメラで消化管の内腔から粘膜層を含めた粘膜下層までを剥離し、病変を切除するという治療法。
HLA(えいちえるえー)
ex vivo(えくす・びぼ)
生物から細胞や組織を取り出して治療や処置をし、その後、もとの生物に戻すことです。
NK細胞(えぬけいさいぼう)
NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、常にからだの中をパトロールしており、ウイルスに感染した細胞や腫瘍細胞などを発見すると攻撃します。
NKT細胞(えぬけいてぃーさいぼう)
NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)は、NK細胞としての性質を併せ持つT細胞の一種です。多種類のサイトカインの産生を行い、免疫賦活・抑制の両方の反応を誘導します。
LCAT(えるきゃっと)
不要となったコレステロールの処理にかかわる酵素。
LCATのはたらきがないと、不要なコレステロールが処理されずに体のいろいろな組織に蓄積され、病気を引き起こす原因となる。
AAV(えーえーぶい)
CAR-T細胞療法
(かーてぃーさいぼうりょうほう)
患者さん自身の免疫細胞の一種であるT細胞を取り出し、がんを攻撃する能力を高めるように遺伝子操作して体内に戻すがん免疫療法の一つです。
CD34 陽性細胞
(しーでぃーさんじゅうよんようせいさいぼう)
骨髄や血液中に存在する未分化な細胞で、血流障害を起こした臓器や組織に移植されると、血管を形成する細胞になる能力があると考えられています。
CD19(しーでぃーじゅうく)
B細胞(抗体を産生する免疫細胞)の発生、活性化、分化の調節に関与する細胞表面マーカーです。
CD20(しーでぃーにじゅう)
B細胞(抗体を産生する免疫細胞)の活性化と増殖の調節に関与する細胞表面マーカーです。
T細胞(てぃーさいぼう)
免疫細胞の一種でウイルスやがんを攻撃したり、免疫を高める役割をする細胞です。
DFAT細胞(でぃーふぁっとさいぼう)
成熟脂肪細胞を培養して、人工的に作り出される多能性細胞。

脂肪組織に存在する間葉系幹細胞に似た形質を示し、骨、軟骨、脂肪、血管、心筋などへ分化する能力があると考えられています。
B細胞(びーさいぼう)
T細胞と並んで重要なリンパ球の一種。
通常、抗体を産生し、感染を防ぐ。


出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20160509.html
BCMA(びーしーえむーえー)
B細胞(抗体を産生する免疫細胞)の発生や自己免疫応答に関係します。多発性骨髄腫などの血液癌の患者のB細胞に高発現していることが報告されています。
PMDA(ぴーえむでぃーえー)
First-in-Human
(ふぁーすと いん ひゅーまん)
被験薬を動物ではなくヒトに対して世界で初めて投与すること。 出典:国立研究開発法人日本医療研究開発機構ホームページ
https://www.amed.go.jp/news/release_20220218-02.html
mRNA(めっせんじゃーあーるえぬえー)
タンパク質合成の遺伝情報を写しとって伝える RNA。

猫'sドクターCOLUMN

猫'sドクターコラム