再生医療とは、どんな治療ですか?
「再生医療」とは、機能障害や機能不全に陥った生体組織・臓器に対して、細胞や人工的な材料を積極的に利用して、その機能の再生をはかるものです。
再生医療に用いられる細胞には、
どのようなものがありますか?
再生医療に用いられる細胞には、体を構成している体細胞(皮膚の細胞や筋肉の細胞など)のほか、体性幹細胞、ES細胞(胚性幹細胞)、iPS細胞(人工多能性幹細胞)があります。
再生医療は安全ですか?
効果はあるのですか?
再生医療の多くは、まだ安全性・有効性を集めている段階です。標準的な治療法として承認されるまでには、今後数年以上経過を追っていく必要があります。
再生医療で考えられるリスクは、
どのようなものがありますか?
使用する細胞によって異なっていますが、一般的に考えられるリスクとして、再生医療等製品は生きた細胞・組織やウイルス等を扱うことや製造工程で多様なヒト・動物由来材料等を使用するため、①感染症に罹患する可能性があること、②アレルギーを起こす可能性があること、③腫瘍形成の可能性があること、などです。また、新しい治療法であるため、これまで考えられてこなかった未知のリスクが存在する可能性もあります。
現在、どのような再生医療が
提供されていますか?
2019年1月時点で、承認されている「再生医療等製品」は5種類で、重症な火傷やあざ、水疱症の治療に用いられる培養皮膚シート、外傷などで欠損した軟骨の修復に用いられる培養軟骨、虚血性心疾患による重症心不全に用いられる培養心筋シート、骨髄移植後の拒絶反応をおさえる薬(ヒト(同種)骨髄由来間葉系幹細胞
)、脊髄損傷に伴う神経症候及び機能障害の改善薬(ヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞)です。
<現在までに行われた研究>
【iPS細胞を使った再生医療】
注:下記の臨床研究は、科学的な見地から研究に参加する患者の数や症状を厳密に制限しているため、希望しても参加できないことがあります。また、すでに参加者の募集を終了しているものも含みます。<現在までに行われた研究>
2014 | 滲出型加齢黄斑変性 | 患者さん自身のiPS細胞から分化誘導した網膜色素上皮細胞を用いた細胞シート移植の研究 |
---|---|---|
2017 | 滲出型加齢黄斑変性 | 他人のiPS細胞から分化誘導した網膜色素上皮細胞を懸濁液として移植する研究 |
2018 | パーキンソン病 | 他人のiPS細胞でドパミン神経前駆細胞を作製し、細胞移植する研究 |
2018 | 進行性骨化性線維異形成症 | iPS細胞を使った創薬研究で見つけた治療薬候補の効果を確認する研究 |
2018 | ペンドレッド症候群 | iPS細胞を使った創薬研究で見つけた治療薬候補の効果を確認する研究 |
再生医療の分類、第一種・第二種・
第三種とは、どのような違いがありますか?
再生医療等の安全上のリスクに応じて分類され、有効性に関する基準ではありません。再生医療等安全性確保法で、提供するための手続きが異なっています。
第一種:これまでヒトに実施されたことが極めて少ないため、既知・未知を含めてリスクが高く想定されるもの。(ES細胞・iPS細胞や、他人の幹細胞を利用するもの)
第二種:すでにヒトに実施されたことがあり、中程度のリスクを見込まれるもの(患者自身の体性幹細胞などを利用するもの)
第三種:もともと細胞が持っている機能を利用し、大きな操作を加えないため、大きなリスクは想定されないもの(加工を施した体性細胞を利用したものなど)
第一種:これまでヒトに実施されたことが極めて少ないため、既知・未知を含めてリスクが高く想定されるもの。(ES細胞・iPS細胞や、他人の幹細胞を利用するもの)
第二種:すでにヒトに実施されたことがあり、中程度のリスクを見込まれるもの(患者自身の体性幹細胞などを利用するもの)
第三種:もともと細胞が持っている機能を利用し、大きな操作を加えないため、大きなリスクは想定されないもの(加工を施した体性細胞を利用したものなど)
再生医療の分類、第一種・第二種・第三種とは、
どのような違いがありますか?
再生医療等の安全上のリスクに応じて分類され、有効性に関する基準ではありません。再生医療等安全性確保法で、提供するための手続きが異なっています。
第一種:これまでヒトに実施されたことが極めて少ないため、既知・未知を含めてリスクが高く想定されるもの。(ES細胞・iPS細胞や、他人の幹細胞を利用するもの)
第二種:すでにヒトに実施されたことがあり、中程度のリスクを見込まれるもの(患者自身の体性幹細胞などを利用するもの)
第三種:もともと細胞が持っている機能を利用し、大きな操作を加えないため、大きなリスクは想定されないもの(加工を施した体性細胞を利用したものなど)
第一種:これまでヒトに実施されたことが極めて少ないため、既知・未知を含めてリスクが高く想定されるもの。(ES細胞・iPS細胞や、他人の幹細胞を利用するもの)
第二種:すでにヒトに実施されたことがあり、中程度のリスクを見込まれるもの(患者自身の体性幹細胞などを利用するもの)
第三種:もともと細胞が持っている機能を利用し、大きな操作を加えないため、大きなリスクは想定されないもの(加工を施した体性細胞を利用したものなど)
濃縮した血小板を使った治療とは、
どんな治療ですか?
血液中の血小板には、傷んだ組織の修復を促進するさまざまな成長因子が含まれています。この血小板を濃縮して患部に投与することで、自然治癒の促進を目指すものです。濃縮した血小板は作成方法などにより、様々な種類があります。
【例】多血小板血漿、多血小板フィブリン、血小板含有フィブリンゲル、PRP, Platelet rich
Plasma(PRP)、CGF、PRF、PRGF、AFG(AutologousFibrinogen Glue:自己フィブリン糊),自己末梢血由来成分,GRF(血小板濃縮フィブリン) /等
【例】多血小板血漿、多血小板フィブリン、血小板含有フィブリンゲル、PRP, Platelet rich
Plasma(PRP)、CGF、PRF、PRGF、AFG(AutologousFibrinogen Glue:自己フィブリン糊),自己末梢血由来成分,GRF(血小板濃縮フィブリン) /等
脂肪細胞を使った治療について、
教えてください。
脂肪組織には、脂肪組織だけでなく骨や軟骨などに分化できる脂肪幹細胞が含まれており、乳がん手術後の乳房再建、腹圧性尿失禁や重症虚血肢など、様々な疾患への再生医療が研究されています。
【脂肪細胞の名称例】脂肪組織由来幹細胞、脂肪由来幹細胞、脂肪組織由来間葉系幹細胞、脂肪組織由来再生(幹)細胞、培養脂肪組織由来幹細胞/等
【脂肪細胞の名称例】脂肪組織由来幹細胞、脂肪由来幹細胞、脂肪組織由来間葉系幹細胞、脂肪組織由来再生(幹)細胞、培養脂肪組織由来幹細胞/等
免疫療法とは、どんな治療ですか?
免疫療法とは、患者さん自身の免疫力を高めることで、病気の治療を目指すものです。主にがんを対象としています。利用する細胞の種類や培養方法の違いにより、さまざまな治療法があります。ただし、有効性等について、がん専門医の間でさまざまな議論がおこなわれていますので、くわしくは「国立がん研究センターがん情報サービス」を御覧ください。
【参考】「免疫療法 もっと詳しく知りたい方へ」(国立がん研究センターがん情報サービス)
【治療法例】がん免疫療法、BAK療法、樹状細胞、LAK療法、NK(NKT)療法、CTL療法、HITV療法、TIL療法、AKC療法、活性化自己リンパ球療法(CAT)、T細胞療法/等
【参考】「免疫療法 もっと詳しく知りたい方へ」(国立がん研究センターがん情報サービス)
【治療法例】がん免疫療法、BAK療法、樹状細胞、LAK療法、NK(NKT)療法、CTL療法、HITV療法、TIL療法、AKC療法、活性化自己リンパ球療法(CAT)、T細胞療法/等
先駆け審査指定制度とはなんですか?
どんな製品が指定されていますか?
世界に先駆けて日本で開発され、早期の治験段階等で著明な有効性が見込まれる革新的な医薬品等について、優先相談、事前評価、優先審査等を行い、早期の実用化を目指すものです。対象品目は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページで確認することができます。
先駆け審査指定制度について(厚生労働省のホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/topics/tp150514-01.html
先駆け審査指定制度の対象品目一覧表(独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページ)
http://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/0003.html
先駆け審査指定制度について(厚生労働省のホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/topics/tp150514-01.html
先駆け審査指定制度の対象品目一覧表(独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページ)
http://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/0003.html
再生医療等製品で身体に
どのような影響があったか
知ることはできますか?
独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページで、再生医療等製品の不具合が疑われる症例報告に関する情報が公開されています。
再生医療等製品の不具合が疑われる症例報告に関する情報(独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページ)
https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/ctp/0006.html
再生医療等製品の不具合が疑われる症例報告に関する情報(独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページ)
https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/ctp/0006.html
再生医療等製品で身体にどのような影響があったか
知ることはできますか?
独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページで、再生医療等製品の不具合が疑われる症例報告に関する情報が公開されています。
再生医療等製品の不具合が疑われる症例報告に関する情報(独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページ)
https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/ctp/0006.html
再生医療等製品の不具合が疑われる症例報告に関する情報(独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページ)
https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/ctp/0006.html
希少疾病用再生医療等製品とは
なんですか?
対象患者数が国内において5万人未満であること、医療上特にその必要性が高いものなどの条件に合致するものとして、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が指定するものです。なお、希少疾病用再生医療等製品の指定が、直ちに製造販売承認に結びつくものではありません。
希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定制度の概要(厚生労働省のホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068484.html
希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定制度の概要(厚生労働省のホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068484.html
再生医療の広告で、うそと思われる
内容や大げさな表現があるのですが、
どこに相談すればよいですか?
医療にかかわる広告規制について、厚生労働省のHPに記載があります。医療に関する広告についてのご相談窓口も掲載されていますので、参考にしてください。
厚生労働省ホームページ 医療法における病院等の広告規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html
厚生労働省ホームページ 医療法における病院等の広告規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html
再生医療の広告で、うそと思われる内容や大げさな表現があるのですが、
どこに相談すればよいですか?
医療にかかわる広告規制について、厚生労働省のHPに記載があります。医療に関する広告についてのご相談窓口も掲載されていますので、参考にしてください。
厚生労働省ホームページ 医療法における病院等の広告規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html
厚生労働省ホームページ 医療法における病院等の広告規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html
治験の対象外でしたが、どうしても
治験や臨床研究を受けたい。患者
から申し込める制度はありますか?
国内未承認の医薬品等を保険外併用療法として使用したいという患者さんの思いに応えるために2016年4月に患者申出療養制度が施行されました。
患者申出療養制度は、患者さんから申出のあった医療技術について、患者さんのその時点の病状に対して有効性や安全性などについて、科学的根拠に基づいているか、保険収載をめざした試験計画になっているかなど検討されたうえで、実施できるか決定されます。
患者申出療養制度の利用を希望する場合は、主治医にご相談ください。
なお、保険適用されていない部分は、原則患者さんの自己負担となります。
詳細は厚生労働省のHPをご確認ください。
厚生労働省ホームページ 患者申出療養制度 https://www.mhlw.go.jp/moushideryouyou/
患者申出療養制度は、患者さんから申出のあった医療技術について、患者さんのその時点の病状に対して有効性や安全性などについて、科学的根拠に基づいているか、保険収載をめざした試験計画になっているかなど検討されたうえで、実施できるか決定されます。
患者申出療養制度の利用を希望する場合は、主治医にご相談ください。
なお、保険適用されていない部分は、原則患者さんの自己負担となります。
詳細は厚生労働省のHPをご確認ください。
厚生労働省ホームページ 患者申出療養制度 https://www.mhlw.go.jp/moushideryouyou/
治験の対象外でしたが、どうしても治験や臨床研究を受けたい。
患者から申し込める制度はありますか?
国内未承認の医薬品等を保険外併用療法として使用したいという患者さんの思いに応えるために2016年4月に患者申出療養制度が施行されました。
患者申出療養制度は、患者さんから申出のあった医療技術について、患者さんのその時点の病状に対して有効性や安全性などについて、科学的根拠に基づいているか、保険収載をめざした試験計画になっているかなど検討されたうえで、実施できるか決定されます。
患者申出療養制度の利用を希望する場合は、主治医にご相談ください。
なお、保険適用されていない部分は、原則患者さんの自己負担となります。
詳細は厚生労働省のHPをご確認ください。
厚生労働省ホームページ 患者申出療養制度 https://www.mhlw.go.jp/moushideryouyou/
患者申出療養制度は、患者さんから申出のあった医療技術について、患者さんのその時点の病状に対して有効性や安全性などについて、科学的根拠に基づいているか、保険収載をめざした試験計画になっているかなど検討されたうえで、実施できるか決定されます。
患者申出療養制度の利用を希望する場合は、主治医にご相談ください。
なお、保険適用されていない部分は、原則患者さんの自己負担となります。
詳細は厚生労働省のHPをご確認ください。
厚生労働省ホームページ 患者申出療養制度 https://www.mhlw.go.jp/moushideryouyou/
条件付き早期認証制度とは
なんですか?
「条件付き早期承認制度」とは、患者数が少ないなどの理由で治験の実施にかなりの長時間を要すると認められる医薬品・医療機器・再生医療等製品について、発売後に有効性・安全性を評価することを条件に承認する制度です。