再生医療の信頼崩壊 〜コージンバイオ株式会社の管理の杜撰さが招いた波紋〜

【第23回】 再生医療の信頼崩壊 〜コージンバイオ株式会社の管理の杜撰さが招いた波紋〜

事故の概要

今回の問題は、医療法人輝鳳会が所有する池袋のCPC(細胞加工センター)で細胞加工した細胞がコンタミネーションを起こし、同医療法人のTHE K CLINICにて患者に静脈投与し2人が感染症による重い症状で入院したという事案です。

 

被害者は、中国から日本の再生医療を目的に来日した患者です。この事故により、日本の再生医療に対する信頼が国際的に揺るがされる事態となっています。

施設と企業の問題点

事故が起きた細胞を加工したのは、池袋のCPCで、医療法人輝鳳会が所有する施設であり、その細胞加工施設を運営していたのがコージンバイオ株式会社になります。

 

この企業は上場企業であり、再生医療業界では一定の信頼を持つ存在です。しかし、衛生管理や技術的な不備、さらには昨今、DMSOを使用した危険な細胞冷凍保存技術が問題視されていました。その中、今回再生医療分野での細胞加工施設における衛生管理の不備が原因で、細胞のコンタミネーションが発生し、患者に危害を及ぼす事故が報じられています。

 

この問題の背景には、特定細胞加工施設の届出制における基準の曖昧さが指摘されています。

 

適切な衛生管理が行われていない施設が存在し、今回のような事故を引き起こす要因となっています。そもそも院内の細胞加工の責任は、通常は医療法人もしくは医師(院長)や細胞加工施設管理者等にあるものです。

 

その業務を外部の企業に委託すること事態、法律上コンセンサスが取れる行為なのか?責任の所在が不明確になる懸念もあります。このように医療機関内での適用法律は再生医療等安全確保法内の責任範疇であるのに、企業が関与することにより、再生医療の安全性に影響を及ぼす可能性があります。

 

今回の事故で、そのリスクが具体的な形で露呈してしまいました…

とにかく適当で危険…

院内での細胞加工施設が「許可」でなく「届出」という、意味不明で法律がおかしい状態であり、行政の責任も重いと思うのですが…

 

今回、当機構の調査によると、コージンバイオ株式会社はこの一連の関わりについての事実を隠蔽している疑いが浮上しているという厄介な事案になっています。

業界全体への影響

再生医療は日本が世界に誇る技術ですが、こうした事故が発生することで、患者や海外の医療関係者からの信頼を失う恐れがあります。

 

特に、コージンバイオ株式会社のような上場企業が関与している場合、その影響は業界全体に波及します。

この問題は、再生医療の未来にとって非常に大きなリスクです。

信頼を取り戻すためには

今回の事故を契機に、再生医療に関する法規制を強化し、届出制の施設に対する厳格な審査を導入する必要があります。

また、企業と医療機関が連携する際には、透明性と責任の明確化を徹底するべきです。

 

再生医療は日本の技術力を象徴する分野であり、その未来を守るためには業界全体がこの問題に真摯に取り組む必要があります。患者が安心して治療を受けられる環境を整えることが、信頼回復と産業の発展に繋がると考えます。