再生医療 肌の種類と仕組み、効果を解説
「年齢とともに肌のハリがなくなってきた」「エステや美容施術ではもう満足できない」
そんな悩みを抱えている方が、いま注目しているのが “肌の再生医療” です。
これまでの美容医療とは異なり、再生医療は自分自身の細胞の力を利用して、肌を内側から根本的に若返らせるというアプローチ。メスを入れたり異物を注入したりするのではなく、「肌そのものの修復力」を高めるため、自然な美しさを取り戻したい方に選ばれ始めています。
とはいえ、まだ新しい分野の治療法であるため、「本当に効果があるの?」「安全性は?」といった疑問や不安を感じられているかもしれません。
この記事では、肌の再生医療とは何かという基礎から、治療の仕組み、安全性、効果の実感時期、PRP療法や幹細胞治療との違い、年齢による効果の違い、信頼できるクリニックの見極め方についての概略を初めての方にもわかりやすく丁寧に解説します。
再生医療がもたらす可能性と、それを安心して受けるための正しい知識を、あなた自身の判断材料としてお役立てください。美しく、健やかな肌を取り戻すための一歩として、お役に立てれば幸いです。
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この記事で分かること
- ☑ 肌の再生医療が従来の美容医療とどう違うか
- ☑ 真皮線維芽細胞を用いた治療の仕組みと効果
- ☑ 治療の流れや所要期間、副作用・ダウンタイムへの対応
- ☑ PRP療法や幹細胞治療との違いと使い分け方
肌の再生医療とは?根本治療としての意味
これまでの美容医療が「外側からの補い」であったのに対し、再生医療は「内側からの再構築」によって根本的な若返りを目指す新しいアプローチです。特に、真皮層にある「線維芽細胞」に直接働きかける治療は、肌質そのものの改善を可能にします。
どんな治療が「肌の再生医療」に該当するのか?
肌の再生医療とは、自分自身の細胞(主に線維芽細胞)を採取・培養し、改めて肌に注入することで、コラーゲンやエラスチンなどの生成を促す治療法を指します。
この治療により、加齢や紫外線などで減少・機能低下した細胞を補い、肌本来の修復力を呼び起こします。
例えば、しわやたるみに対してヒアルロン酸やボトックスを注入する方法では、効果は一時的で数ヶ月で元に戻ってしまいます。しかし、線維芽細胞を注入する方法では、細胞が生きて働くことで、数ヶ月から年単位にわたる長期的な肌の改善が期待できます。
これまでの美容医療との違い
単に「肌にハリを与える」「見た目を整える」ことにとどまらず、細胞レベルで肌を作り直すという点において、再生医療は”治す”という本質的な医療の形に近いといえるでしょう。
従来の美容医療との主な違いを、以下にまとめました。
項目 | 従来の美容医療 | 再生医療(肌) |
---|---|---|
アプローチ方法 | 外部から注入・施術 | 自身の細胞を用いて内部から修復 |
効果の持続期間 | 数ヶ月(ヒアルロン酸など) | 数年単位(細胞が生着すれば長期間持続) |
対象となる悩み | シワ・たるみ・肌のハリ・くすみなど | 上記に加え、肌質・弾力・構造そのものの改善 |
副作用のリスク | 外部薬剤使用に伴うアレルギー等 | 自家細胞のため拒絶反応のリスクが低い |
ゴールの考え方 | 一時的な若返り | 機能回復による本質的な若返り |
このように、再生医療は表面的な対処ではなく、肌を“再構築”する根本治療という点において、大きな価値を持ちます。
肌の再生医療を選択の注意点
肌の衰えは年齢とともに進行しますが、原因の多くは「細胞の減少」と「修復能力の低下」です。これを外から補うのではなく、自分の細胞で内側から立て直すという点で、再生医療は極めて理にかなった方法といえます。
ただし、厚生労働省による再生医療等安全性確保法が定められ、法的な整備が進み、安全性と透明性の確保が推進されてはいるものの、幹細胞治療などでは大枠最初と最後(採取と投与)は同じものの、その過程(培養時)は実際上、かなり違っています。
医療機関・CPCによって独自の方法があるため、選択にあたってはしっかりとした見極めが必要です。そんな際、当相談室をご利用いただいても結構です。中立的な立場で無料にてご相談を承ります。
再生医療と美容医療の違い
多くの人が混同しがちですが、再生医療と美容医療は、目的も治療の仕組みも大きく異なります。見た目の若返りを目指すという点では共通していますが、そのアプローチはまったく異なるものです。
まず、美容医療は「見た目を変えること」を主眼に置いた施術です。ヒアルロン酸やボトックスなどの注入治療、レーザーによる美肌治療、あるいはフェイスリフトのような外科的施術まで、多岐にわたります。
これらは基本的に表面的な変化を与えることを目的としており、即時的な効果が期待できます。
一方、再生医療は体の中の細胞や組織の再生・修復を目的とした医療行為です。肌の再生医療であれば、患者自身の肌細胞(真皮線維芽細胞)を培養して増やし、それを再び肌に戻すことで、肌本来の機能を回復させます。
一時的な見た目の改善ではなく、肌自体の根本的な若返りを目指すのが特徴です。
項目 | 美容医療 | 再生医療(肌) |
---|---|---|
治療の目的 | 見た目の変化や即効的な改善 | 細胞レベルでの機能回復・若返り |
使用する物質 | ヒアルロン酸、ボトックス、レーザー等 | 自分自身の肌細胞(真皮線維芽細胞) |
効果の持続 | 数ヶ月程度(個人差あり) | 数年単位の持続が期待できる |
副作用のリスク | 薬剤によるアレルギー、腫れなど | 自己細胞のため拒絶反応が起こりにくい |
自然な仕上がり | 状況によっては不自然になることも | 自分の細胞を使うため自然な変化 |
- POINT -
- ・再生医療は「肌の機能を蘇らせる」ことを目的とした医療
- ・美容医療は「即効性のある見た目の変化」を追求する施
- ・どちらも目的に応じて適切に選ぶことが大切
再生医療で行われる主な肌治療の種類
美容と医療の融合が進むなか、「肌の再生医療」に注目が集まっています。加齢や紫外線、生活習慣などで衰えた肌を根本から改善する手段として、従来の美容医療では実現できなかった「肌そのものの若返り」を目指す再生医療。その選択肢は年々広がっています。
ここでは、代表的な肌の再生医療の種類と、それぞれの仕組み・特徴・メリット・注意点についてわかりやすく解説します。
種類 | 概要 | 目的・効果 | 向いている症状 |
---|---|---|---|
PRP療法 | 血小板を用いて肌を再生 | 小ジワ、毛穴、ニキビ跡 | 比較的軽度な肌老化 |
真皮線維芽細胞移植療法 | 自分の肌から採取した細胞を培養・注入 | 弾力、ハリ、たるみ改善 | 中~重度の老化肌 |
幹細胞治療 | 脂肪などから採取した幹細胞を使用 | 総合的な肌の若返り | ハリ不足・再生力の低下 |
※エクソソーム? | - | - | - |
※ご注意・エクソソームについて
肌の再生医療では「エクソソーム(幹細胞の培養時、細胞から分泌され、幹細胞培養上清ともいわれている)」を用いていたり、宣伝している医療機関がありますが、エクソソームは、実のところ再生医療との触れ込みを見かけますが、そうではありません。
現在、エクソソームを用いた医療行為については、その有効性や安全性が十分に科学的裏付けを持っているとはいえないのが実情です。実際、管理の行き届いていないエクソソーム製剤が使用され、深刻な健康被害が発生した事例も報告されています。
日本国内では法規制のすき間を突くかたちで、エクソソーム療法が比較的自由に提供されている現状があります。現在の制度では、企業がエクソソーム製品を販売できるのは研究目的に限られており、効果効能をうたうことは禁止されています。
ところが、医師が医療行為として使用する場合には、
事前の当局審査や承認が不要とされており、規制の適用が及びません。
さらに、再生医療安全性確保法(安確法)の対象となるのは「細胞を用いる治療」に限定されているため、
エクソソームのように細胞成分を含まない製剤は、法的には再生医療に該当しないとされているのです。
このように、エクソソームは現行法上「再生医療」とは定義されておらず、制度的な保護や審査を受けないまま臨床現場に導入されている点に注意が必要です。イメージや宣伝だけで躍らされることが無いようしたいものです。
- POINT -
- ・エクソソーム治療は、科学的根拠が不十分、安全性・有効性が確立されていない
- ・日本では規制の抜け穴により、審査なしで医師が治療に使用できる現状がある
- ・エクソソームは細胞を含まないため、再生医療法の適用外で法的な管理が及んでいない
- ・健康被害例があり、注意が必要です
肌細胞が減少する理由と老化のメカニズム
私たちの肌は、年齢とともに目に見える形で変化していきますが、その根本的な要因は肌細胞(特に真皮線維芽細胞)の減少と機能低下にあります。
20歳を過ぎると、線維芽細胞の数は緩やかに減少し始め、50歳では20代の約3分の1にまで減ってしまうという報告もあります。この変化は自然な老化現象の一部ですが、日々の生活環境や習慣によってその進行は加速されることがあります。
具体的には、以下のような外的・内的要因が肌細胞の減少を引き起こします。
肌細胞が減る原因
分類 | 要因例 | 内容と影響 |
---|---|---|
外的要因 | 紫外線 | DNA損傷やコラーゲン破壊を引き起こす |
乾燥・気温差 | 肌バリアの乱れによる線維芽細胞へのストレス | |
大気汚染・たばこ | 活性酸素の増加により細胞の酸化が進む | |
内的要因 | 加齢 | 細胞の増殖スピードが低下 |
ホルモンバランスの変化 | 線維芽細胞の活動が抑制されやすくなる | |
栄養不足・血行不良 | 肌細胞に必要な酸素と栄養が行き届かなくなる |
細胞が減少すれば、肌が本来持っている修復機能や保湿力、弾力性が次第に失われていきます。
これが「たるみ」や「シワ」として現れるのです。
- POINT -
- ・肌細胞は加齢とともに確実に減少していく
- ・紫外線や生活習慣が老化を加速させる
- ・早期のケアが、細胞減少を食い止める鍵になる
再生医療で肌が若返る仕組み
肌の再生医療では、自分の肌細胞を使って「肌が自ら回復する力」を取り戻すことが目指します。この治療法の最大の特徴は、化学薬品や異物を用いずに、自身の細胞で若返りを図るという点にあります。
仕組みとしては、患者自身の腹部などから脂肪を採取、「幹細胞」を抽出して培養して投与する方法や、耳の後ろなど、日焼けや外的ダメージの少ない部位から皮膚を少量採取し、その中に含まれる「真皮線維芽細胞」を培養する方法があります。
いずれも、培養で細胞数を大きく増やし、それを再び肌に戻すことで、老化により減ってしまった細胞数を補充。注入された細胞は、もともとその人自身のものであるため拒絶反応を起こすことなく肌に定着し、活性化された線維芽細胞が内側から肌を修復・再生していくのです。
肌が若返るプロセスの流れ
ステップ | 内容 | 目的・役割 |
---|---|---|
採取 | 自分の肌(耳の後ろなど)から皮膚を採取 | 外的ダメージの少ない部位から良質な細胞を取得 |
培養 | CPCで細胞を増殖 | 老化で失われた細胞数を補填 |
注入 | 増やした細胞を肌に戻す | 減少した細胞の機能を回復・活性化する |
修復 | コラーゲンなどの生成が再開される | 肌のハリ・潤い・弾力が回復する |
- POINT -
- ・肌の再生医療は「細胞レベル」で肌本来の機能を回復させる
- ・外科的手術や人工物を使わないため、自然な仕上がり
- ・定着した細胞が長期的に肌のメンテナンスを担う
再生医療 肌の効果・安全性・治療内容を解説
肌の再生医療は、「効果の高さ」と「安全性の両立」が期待される先進的な医療技術です。エイジングケアに悩む多くの方にとって、“肌が本来の機能を取り戻す”というアプローチは画期的といえるでしょう。
まず効果面については、肌に再び元気な細胞が定着することで、肌内部からコラーゲンやヒアルロン酸などが自然に生成されるようになり、時間をかけてシワ・たるみ・乾燥・毛穴の開きなどの改善が見られます。
治療の内容としては、以下の3ステップが一般的です。
POINT -肌再生医療の基本ステップと特徴
項目 | 内容 |
---|---|
採取 |
|
細胞培養 | 厚労省届出あるいは認証を得たCPCにて細胞を増殖 |
細胞注入 | 注射により肌へ戻す。注入部位により軽微な赤みや腫れあり(概ね1~3日で自然に治癒) |
一方、安全性についても見逃せません。
自己の細胞のみを使用するため、アレルギーや拒絶反応のリスクは極めて低く、異物注入型の施術と比べても自然かつ長期間にわたって効果が続く点が評価されています。
参考)厚生労働省(地方厚生局)「特定細胞加工物の製造の許可申請・届出について」
- POINT -
- ・治療は自己の細胞を使用するため安全性が高い
- ・痛みやダウンタイムは少なく、回復も早い傾向
- ・効果の持続期間は2〜3年、定期的な補充で維持が可能
肌の再生医療で得られる具体的な効果
再生医療による肌の改善効果は即効性よりも持続的で根本的な変化に特徴があります。時間をかけて肌の内部から変化し、本来あるべき状態に近づけていくことが目標です。
この治療により、以下のような多岐にわたる美容的・機能的効果が期待できます。
肌再生医療で得られる代表的な効果一覧
効果の種類 | 内容 |
---|---|
ハリ・弾力の改善 | コラーゲンやエラスチンの再生により、肌が引き締まり、たるみが軽減 |
保湿力の向上 | ヒアルロン酸の生成によって潤いが持続し、乾燥肌が改善 |
シワの改善 | 目元・口元・額などに現れる細かいシワが目立たなくなる |
毛穴の引き締め | 肌の厚みが回復し、毛穴が目立ちにくくなる |
肌質の変化 | ごわつきやザラつきが改善し、なめらかで柔らかな肌質に変わる |
ニキビ跡の緩和 | クレーター状の陥没も、肌の新陳代謝により徐々に目立たなくなる |
これらの効果は、治療後3ヶ月〜半年ほどで現れはじめ、その後2〜3年かけてゆっくりと進行します。見た目だけでなく、肌自体の健康を取り戻すことで、結果として長期的な美しさと若々しさにつながっていきます。
-
- POINT -
- ●ハリ・潤い・肌質が自然に回復する
- ●自己細胞を使うため、不自然さが出にくい
- ●効果はゆっくり現れるが、数年単位で持続可能
真皮線維芽細胞による若返り機能
真皮線維芽細胞とは、私たちの皮膚の“真皮層”に存在し、肌の構造を支える3大成分――コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンを生み出している細胞です。肌のハリや潤い、弾力を維持するうえで欠かせない存在であり、まさに「美肌の源」といえる細胞です。
この細胞が活発に働いている若い肌は、内側からの弾力と潤いに満ち、トラブルが少ない状態を保てます。しかし、年齢を重ねるにつれて、線維芽細胞の数や働きは徐々に衰えていきます。その結果、コラーゲンやヒアルロン酸の生成が滞り、シワ・たるみといった肌老化が目立つようになるのです。
再生医療の中でも、幹細胞治療と合わせて肌の若返りに焦点を当てた治療では、この真皮線維芽細胞も自分自身から採取し、専用の施設で培養してから肌に戻します。これにより、衰えた肌の自己修復力が回復し、時間をかけて若い肌へと導いていくのです。
- POINT -真皮線維芽細胞の主な働き
- ・損傷を受けた組織を修復する「創傷治癒機能」がある
- ・再生医療により増やすことで、肌本来の機能が回復する
肌の再生医療における「幹細胞治療」
幹細胞は、私たちの体の中で「新しい細胞を生み出す力」を持った特別な細胞です。皮膚、血液、神経など、さまざまな組織の細胞に分化する能力(分化能)を持ち、自分自身を複製する力(自己複製能)も備えています。
幹細胞治療も真皮線維芽細胞と同様に自分自身(脂肪)から採取し、CPCといわれる細胞培養施設で培養したのち、注射で肌に戻します。これにより、衰えた肌の自己修復力が回復し、時間をかけて若い肌へと導き、加齢によるシワやたるみ、ハリの低下にアプローチします。
肌のエイジングサイン ― 乾燥・シミ・くすみ・たるみ・深いシワ。
これらは年齢とともに避けられない現象とされてきましたが、近年の再生医療技術の進歩により「幹細胞や真皮線維芽細胞」を用いた根本的な若返り治療が現実のものとなっています。
肌の再生医療において、「幹細胞治療」と「線維芽細胞治療」は異なるアプローチを取っており、それぞれに特徴と注意点があります。
項目 | 線維芽細胞療法(肌再生医療) | 幹細胞治療 |
---|---|---|
使用する細胞 | 真皮線維芽細胞(皮膚由来) | 脂肪組織や骨髄由来の幹細胞 |
主な働き | コラーゲン、ヒアルロン酸など肌構造成分の産生を促進 | 成長因子の分泌・細胞の再生力を高めることが可能 |
安全性 | 自己細胞を使用するため、拒絶反応リスクが極めて低い | ←同じ |
治療手法 | 注入による局所的アプローチ | 点滴または注射による全身または局所への応用が可能 |
注意点 | 注入部位にしこりができる可能性 | 抽出時の身体負担、技術と施設(CPC)の慎重な選定が必要 |
幹細胞治療は肌以外にも応用範囲が広く、肌の修復だけではなく全身の若返りを目指す方にも検討されます。
ただし、抽出部位や培養管理、安全性の確保など、慎重な判断が要求されます。
PRP療法との違いと使い分け
PRP(Platelet‑Rich Plasma)療法も自己由来の治療であり、多くの方に「自然な若返り」として支持されていますが、肌の再生医療とはその作用機序と目的が異なります。
PRP療法では、血小板に含まれる成長因子が周囲の線維芽細胞を刺激し、コラーゲンなどの生成を促すことで肌を改善します。以下の表のように比較するとわかりやすいです:
PRP療法と肌の再生医療の比較
項目 | PRP療法 | 幹細胞治療・線維芽細胞治療 |
---|---|---|
主成分 | 自己の血液由来の血小板・成長因子 | 自己の細胞を培養して注入 |
効果発現 | 数週間程度で軽度のハリやツヤの改善を感じやすい | 数ヶ月かけて徐々に肌の構造そのものが改善されていく |
効果の持続 | 比較的短期間、再施術が必要な場合が多い | 数年持続する可能性あり(定期メンテナンス推奨) |
安全性 | 高い(自己由来のためアレルギー・感染リスクが低い) | 同様に高い安全性(ただし施設の管理体制による) |
使い分け | 手軽に始めたい、メンテナンス的に利用する場合に適応 | 根本的な肌機能回復を目指す人向け |
- POINT -
- ・PRPは手軽で早く変化を感じたい方に向いている
- ・幹細胞治療、線維芽細胞治療はじっくり肌を改善したい方に最適で、長期的な効果が期待できる
- ・併用することで相乗効果を狙うことも可能だが、医師と相談を推奨
効果が実感できるまでの期間と持続性
どれほど待てば効果が現れるのか、その持続期間は気になるところです。再生医療では、即効性ではなく持続性のある変化が期待されます。
実際には、治療後1〜2ヶ月ほどで徐々に肌に変化を感じ始めるケースが多く、3ヶ月〜6ヶ月では肌の厚みや弾力性が目に見えて改善する報告もあります。具体的には、皮膚の厚みやコラーゲン生成の改善が確認され、長期にわたり効果を維持できるとされています。
さらに、高品質な研究では12ヶ月後にも改善効果が継続していたという結果もあり、2〜3年は効果が持続する可能性が示唆されています
- POINT -
- ・効果の初期実感は数ヶ月後
- ・6ヶ月以降には肌の構造的な改善も認められる
- ・効果は数年単位で持続し、定期的なメンテナンスで長期保管も可能
副作用・ダウンタイムとその対処法
肌の再生医療では、安全性が高いとはいえ、副作用やダウンタイムがゼロではないことも理解する必要があります。腫れや赤み、またまれにしこりや色素沈着が生じる場合もあるため、対処法を知っておくことが大切です。
副作用・ダウンタイムと対処法のまとめ
症状・リスク | 内容と期間 | 対処方法 |
---|---|---|
腫れ・赤み | 注入部位により1日〜1週間ほど | 冷やす、安静にする、メイクでカバー |
内出血・色素沈着 | 数日〜1週間で改善 | クールパックと保湿、日焼け対策を徹底 |
硬結(しこり) | 注入部位に触れて硬さを感じることも | 長く続く場合は医師に相談、経過観察が必要 |
個人差・長引く症状 | 稀に1週間以上続く場合も | すぐにクリニックへ連絡、適切な対応を受ける |
再生医療は手術によるメスや、強い薬を用いないためリスクは低いですが、「一時的な肌の反応」「個人差による症状の長期化」には注意が必要です。異変を感じた際は、早めに専門医に相談しましょう。
年齢や肌状態による効果の違い
肌の再生医療では、年齢や肌の状態によって効果の現れ方に明確な差が出ることがあります。若い肌ほど効果が出やすい傾向がありますが、それだけが全てではありません。
最新の研究によると、幹細胞や真皮線維芽細胞は加齢に伴い減少するだけでなく、増殖やコラーゲン生成能力も低下することが指摘されています。例えば、老化した肌ではDNA損傷や酸化ストレスが累積し、機能低下を招く細胞が増えてしまうのです。
一方で、若年層では、これら細胞の活性が高く、肌の保水や弾力を保ちやすいため、再生医療の注入による効果実感が早く出やすい傾向にあります。
年齢や肌状態による効果の違い
状況 | 特徴と影響 |
---|---|
若い肌(20〜30代) | 線維芽細胞の減少が少なく、治療効果が見えにくい場合あり |
中高年(40代〜) | 細胞減少が現れ、効果の実感はわかりやすくなることも |
ダメージのある肌 | 紫外線・乾燥などによる損傷がある場合、効果が出にくいことも |
そのため、効果の現れ方や実感のタイミングには個人差が大きく、年齢や肌のダメージ度合いに応じた治療プランの調整が大切です。
信頼できるクリニックを見極めるポイント
肌の再生医療を安全に受けるためには、信頼できるクリニックを選ぶことが非常に重要です。以下の点を確認することで、より安心できる医療機関を見極めやすくなります。
-信頼できるクリニック選びのチェックポイント
□ | 再生医療提供計画の届け出・施設の認可 | 「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づき、厚生労働省へ提出された提供計画の有無や、書面の開示、CPC(細胞培養加工施設)やクリニックの許認可番号の明示されているか。 |
□ | 細胞の培養・管理体制の透明性 | 自院で培養しているのか外注なのか、その品質管理体制(GMP準拠など)がどうか、培養方法について明確にしているか
|
□ | 治療実績と情報公開の程度 | 客観的な情報提供が充実しているか、厚生労働省どうかも判断材料になる |
□ | 説明の丁寧さとリスク開示 | 治療前に効果・リスク・費用・ダウンタイムについて正確かつ丁寧に説明があるか、培養の方法などの説明があるか、など明確にしてくれるかがポイント |
まとめ・再生医療 肌
肌の老化やダメージに対して、根本からの改善をめざす「再生医療による肌治療」は、これまでの美容医療とは異なる新たな選択肢です。幹細胞や、PRP、真皮線維芽細胞を活用した治療では、自身の細胞の力を引き出し、自然で持続的な肌の再生が期待できます。
もちろん、治療には適切な医療機関選びや、年齢・肌状態に応じた治療計画が重要です。また、PRP療法や幹細胞治療など、似た治療法との違いも理解しておくことで、納得感のある選択につながります。
再生医療による肌の改善にたどり着いたあなたが、この記事を通して信頼できる情報を得られ、安心して一歩を踏み出せるきっかけになれば幸いです。大切な肌に寄り添う治療法を選び、未来のあなたの肌に自信を持てますように。
不安なことや疑問がある方は、遠慮することなく当相談室をご利用ください。中立の立場で無料でご相談を承ります。あなたの「もう一度、自由に歩きたい」という気持ちに寄り添う治療法が、きっと見つかります。
監修:一般社団法人 再生医療安全推進機構
再生医療相談室
よくある質問(FAQ)Q1. 再生医療による肌の若返りは本当に効果がありますか?A. Q2. 美容医療と再生医療の違いはなんですか?A. Q3. 肌の再生医療に副作用やダウンタイムはありますか?A. Q4. PRP療法や幹細胞治療との違いはなんですか?A. Q5. どの年齢層に向いていますか?A. |
一般社団法人 再生医療安全推進機構は、患者・企業・医療従事者の相談窓口として設立されました。再生医療に関する悩みやトラブルに中立的な立場から対応し、安全で健全な医療の発展を支援するためのポータルサイト「再生医療相談室」を運営しています。